みんなで卍解を叫ぼう!

 久保帯人原作の漫画、「BLEACH

その中で登場する死神たちの奥の手として「卍解

と呼ばれるものがある。

 卍解は自身の持つ斬魄刀の力を解放し、絶大なパワーを得るものなのだが、その卍解があまりにも少年心を掴んで離さない代物であるのはもう既に周知されていることであると思う。

 そして日々の通勤生活、ないしは学校生活でストレスが溜まった時など、心と頭を空っぽにして卍解を叫びたいという衝動に駆られることが必ずしも存在する。必ずだ。

 しかし自分あんまり卍解知らないんだよな…という方に向け、卍解とはこういうものがあるぞという紹介をしようと思い、この文章を書いている。(もちろん、能力モノ漫画とかが好きなあなたや、厨二的な心を自覚しているそこのあなたにも向けている)

 今回はBLEACHの中に登場する「護廷十三隊」の隊長を勤める者たちの卍解を紹介していく。少しでも興味を惹かれ、叫びたくなる衝動に駆られる人が現れることを期待する。

 

 

※ この先、卍解についてのネタバレがあります。BLEACHのネタバレが嫌だ!という方は直ぐにスマホを放り投げて単行本を読みに行くべし。

 

 

 

 

 

 

残火の太刀(ざんかのたち)

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出典:animesoku.com

 

 護廷十三隊総隊長山本元柳斎重國が持つ焱熱系最強最古の斬魄刀である「流刃若火」

 桁外れの出力で炎を放出するこの斬魄刀は作中でもまさしく火力が最高峰。そんな絶大な力をもつ流刃若火の卍解がこの「残火の太刀

炎で燃え、焦げてボロボロになった小さな刀という一見奥の手の卍解には見えないこの残火の太刀だがその能力はあまりにもチートの性能盛りたい放題の性能になっている。(※能力以前にこの卍解発動の1枚絵だけで厨二心をくすぐる圧倒的なオサレさが迸っているのだが)

 残火の太刀の能力は主に4つ。東西南北の4つに分けられて区別されている。

 東 「旭日刃」

 この旭日刃が残火の太刀の最もオーソドックスな性能になっているのだが、その内容はというと流刃若火の炎の全てを鋒(きっさき)だけに集中させるというもの。所謂炎タイプの能力者が見せるような爆炎を撒き散らし敵を燃やすというものではなく、熱を一点集中させ鋒に触れた物を問答無用で消し去るという、全く違うステージに立ってしまっている。

 鋒に触れてしまうだけで跡形もなく灰になってしまうため受け太刀もさせず、ただ相手を消し去るだけの攻撃性能と言える。

 

 西 「残日獄衣」

 東の旭日刃が攻めだとしたらこちらの残日獄衣は守りである。残火の太刀の発動と同時に、自身の体を1500万度の熱を鎧のように体に纏うようになり、この能力のことを残日獄衣と呼ぶ。

 この1500万度という温度、よく分からないが本人曰く「太陽を纏っている」状態。先程は守りと呼んだが、こんなことされちゃ相対することすら不可能になるので守りと攻めを同時に兼ねた能力と言えるかもしれない。

 

南 「火火十万億死大葬陣」

 先程までの2つの能力があれば眼前の相手など一瞬で塵となって消え失せてしまうのだが、この卍解アフターケアまで完璧であり、南の能力である火火十万億死大葬陣はこれまでに斬った者たちの亡骸を呼び出し、旭日刃の熱を与えて甦らせるという訳が分からない理屈の能力になっている。問答無用で敵(なんなら味方でも)を焼き殺し、その屍たちを自身の手駒として扱うという完全に頭がおかしいストーリーが出来上がっているのが伺える。ていうかこんなん敵の能力だろ。

 

北 「天地灰尽」

 そして最後の北、天地灰尽である。これはシンプルに剣をなぎ払い、その直線上の物体を消滅させるものである。実際作中でも特に説明もなく剣を振ったら敵が消滅していたので解説もしにくい。

 そもそも天地灰尽なんて使わずともどうにでもなるのが残火の太刀である。

 

 と、こんな絶大な力を持つ卍解なのだがリスクもあり、残火の太刀を発動すると辺り一面の水分が蒸発して消えていく。そのため、長く発動していると敵どころか自分たちまで壊滅してしまうという扱いが大変危険な卍解になっている。

しかしこの圧倒的なチート能力、叫んで使いたくこと間違いなしである。 

 

「雀蜂雷公鞭」(じゃくほうらいこうべん)

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出典:bibi_stars.jp

 

 護廷十三隊において二番隊は隠密起動部隊となっており、その隊長である砕蜂も作中屈指の機動力、そしてそれを活かした暗殺能力を兼ね備えている。

 その砕蜂が持つ斬魄刀「雀蜂」は、2度同じ箇所に傷を与えると問答無用でその相手を即死させるという蜂に刺された際のアナフィラキシーショックをモチーフとした非常に強力かつ、自身の機動力を存分に活かすことのできる能力を持っている。

 しかし、その雀蜂の卍解である雀蜂雷公鞭は本人曰く「自身の矜持に反する」というあまり好意的ではない評価を得ている。それは何故か? 卍解が弱いから…ではなく、全く逆。雀蜂雷公鞭は斬魄刀が蜂の針を模したような巨大なミサイルに変化。そのミサイルを敵に打ち込むことにより莫大な威力の爆発を引き起こすことが出来るようになる。では何故矜持に反するのかというと、その巨大さから隠れることもままならず、その攻撃は前述の通り「暗殺と呼ぶには派手すぎる」からである。隠密起動の長たる砕蜂からすると釈然としない心持ちになるのも理解ができる。

 もっともこの卍解はその威力の反動か、自身の霊圧(BLEACHにおけるエネルギー単位のようなもの)を著しく消費してしまう。厳密に言うと3日に1発が限度であるというほど。しかし、この絶大な威力かつ、雀蜂の持つ「弐撃決殺」能力から、「一撃必殺」の能力へと変わるこの卍解はやはり少年心を掴んで離さないのではないだろうか。

 余談であるがこの卍解、ここまでの威力を持ちながら作中で敵にしっかりトドメをさせたことがなかったりする。そんな少し不名誉な実績を持つこの卍解、皆で叫んであげたくなりませんか?

 

 

 

「神殺鎗」(かみしにのやり)

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出典:bibi_stars.jp

 

 三番隊隊長で真意の読めない行動ばかりをとる不気味な隊長、市丸ギン。彼が持つ斬魄刀の名前は「神鎗」

 その能力は刀身を伸縮自在にできるというもの。シンプルだがそれ故に汎用性が高く、本来剣で戦う際の間合いを越えた範囲攻撃も行うことができ、近~中距離で自分の優位な状況を作り上げることが可能。

特筆するべき特殊能力と言ったものは特になく、ギンの戦闘センスありきでの神鎗の強さと言える。

 そしてその卍解である「神殺鎗」、この能力は神鎗の能力を更に延長したものとなっている。

 刀身が伸びるのはそのままだが、その上限はなんと13km。もはや槍どころではない攻撃範囲となっている。また、それ以上に厄介なのがその伸縮速度。その速度たるや音速の約500倍。何かがおかしい。目に捉えることすら不可能な速度で圧倒的なリーチを誇るこの卍解は防御不可能。まさに奥の手と言うにふさわしい能力である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「言うたほど長く伸びません 言うたほど迅く伸びません」

 

…とここまでの能力はギン本人が自らの卍解の能力を偽るために吐いたである。真の能力は伸縮する際に一瞬だけ塵となること。あまりにも速いために塵になる瞬間が捉えられず実際に刀身が伸びているように見えているという。そして更に真骨頂が斬魄刀の内部に細胞を溶かし崩す程の猛毒が仕込まれている」ということ。刀身を一瞬塵にして相手を貫いた際に、その破片を相手の体内に残してくる事による毒殺。それがこの卍解の最終奥義である。ちなみに毒を発動させるときの解号は「死せ(ころせ)」であり、卍解の名前である神殺鎗の殺の文字と反転しているという何ともオサレな演出がなされている。また、卍解をすることによって「神」の「鎗」だと思われていたものが「神」を「殺」す「鎗」であると判明するのもこの卍解の味の1つになっている。何故この卍解がこんな名前をつけられたのか…、その意味は実際にBLEACHを読んで確かめてもらいたい。それくらい綺麗なつながりとなっている。

 そして最後となるが、この卍解の発動の際のコマでの演出があまりにもオサレであるのは有名なところである。こんなコマ割りで躍動感や恐ろしさを演出出来るのはやはり師匠(久保帯人)しかいないだろう。

 

 

 と、今回3つの卍解の魅力を語ってきたのだが、琴線に触れるものはあっただろうか。意味が分からずとも叫ぶとなんだかかっこいい卍解だが、意味が分かるともっと叫びたくなること間違いなし。

 これで明日から卍解を叫びたい時に困ることはなくなったはず。それでは良い卍解ライフを!

 

 ※気が向いたら2弾も作ります。